ご挨拶

会長 木内 博之

一般社団法人 日本脳神経外科学会
第80回学術総会 会長 木内 博之
(山梨大学医学部 脳神経外科 教授)

この度、一般社団法人日本脳神経外科学会第80回学術総会を2021年10月27日(水)〜30日(土)の4日間、パシフィコ横浜にて開催させていただきます。伝統ある本会を担当させていただきますこと大変光栄に存じます。現代の臨床医学においては、先進的な基礎研究に基づく病態解明、診断技術そして治療方法が日進月歩で発展しており、その多様な選択肢の中から最善の医療を実践する判断力が求められています。そこで、本学術総会のテーマを「科学の追求と実践知の涵養 Pursue Science and Cultivate Phronesis」といたしました。フロネーシス(実践知)は、ピステーメ(学問知)、テクノ(技術知)、とともにアリストテレスが提唱した知の一つで『実際に適切な判断をくだすことができる認識や能力』と解釈されています。これからの脳神経外科を支える基礎科学の知と、それを応用して全人的要因に配慮して行うBest Medical Treatmentの実践知を探求する機会となれば幸いです。この度は、1,951の応募をいただき、お陰様で発表総数が2,227演題となりました。全10会場で、直接参加とライブ配信を行うハイブリッド形式と、会期以降にも視聴できるオンデマンド方式も取り入れ、効率的に情報共有できるようにいたしました。会員の皆様には多大なるご協力を賜り、心より感謝申し上げます。特別講演は、日本医師会長にご就任された中川俊男先生とWorld Federation of Neurosurgical Society(WFNS)のPresidenを務められているNelson Oyesiku先生から本学会会員へのメッセージを発信していただくことになっております。また、Editor-in-Chief Forumと題し、脳神経外科領域の主要機関誌であるNeurologia medico-chirurgica, Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism, Neurosurgery, Journal of Neurosurgeryの各編集長から、編集方針や今後の方向性についてご紹介していただきます。学術委員会企画として「COVID-19感染症克服に向けた叡知の結集」と題するシンポジウムを開催の予定ですが、その中でCOVID-19撲滅に向けて様々な視点から今日の課題と展望についてご討論していただきます。また、脳死検討委員会「臓器提供に関する脳死患者家族の意思確認の実際」、働き方改革検討委員会/ ダイバーシティ推進委員会/ 医療問題検討委員会合同企画「多様性を生かした働き方改革」についてのシンポジウムも予定しております。特別シンポジウム「科学の追求と実践知の涵養」は、国内外から多数のゲストをお招きして、脳神経外科の主軸をなす9つのテーマについて基礎研究から実臨床まで最先端の知識と現実の課題について発表いただく予定です。また、各専門分野における最近の展開について検討するサブスペシャルティシンポジウム、脳神経外科の根幹を担う手術技術の進化についての啓発と継承の場としてのビデオシンポジウム、そして会員の皆様の多彩な分野からの発信の場となるよう一般口演とデジタルポスターを設けました。恒例となっております医学生や研修医を対象としたGREENプロジェクトも企画いたしました。国際文化講演には、スタンフォード大学の歴史学教授のMatthew Sommer先生をお招きして、「How the History of the Qing Dynasty Helps Us Understand China Today: 清朝の歴史が如何に現在の中国を形創ったか」というテーマでお話しいただきます。現代の中国を理解する上で清朝の歴史を紐解きながら、示唆に富むお話を拝聴できるものと大変楽しみにしております。また、文化セミナーとして山梨出身の落語家、三遊亭小遊三師匠の落語を企画しました。ぜひ、お楽しみください。先に述べましたように、会員の皆様の安全を第一に考えハイブリッド形式にて開催いたしますが、COVID-19に対する万全の安全対策を徹底して参りますので、状況が許すようであれば多くの皆様の現地参加を願っております。本学術総会が、会員の皆様にとって、今後の脳神経外科の方向性を考える場として、実り多きものとなれば幸いです。何卒ご協力の程よろしくお願い申し上げます。それでは、秋たけなわの横浜で皆様にお会いできることを楽しみにしております。

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